新型出生前診断の結果が陽性と判断された場合の対応を知っておこう!
いざ新型出生前診断を受けて陽性となったら焦ってしまいますよね。陽性が出たらどうすればよいのでしょうか。診断後に落ち着いて行動できるよう、もし陽性だった場合の対応を頭に入れたうえで検査を受けることをおすすめします。この記事では新型出生前診断の検査結果の見方や、陽性と判断されたときの対応について詳しく紹介します。
新型出生前診断の検査結果の見方とは?
検査は妊婦さんの採血によって行われ、結果が出るのは検査から1〜2週間ほどといわれます。診断ではさまざまな染色体の状態を測定し、測定値が基準値の範囲を超えているか超えていないかで、陽性・陰性を決めています。つまり測定値が基準値の範囲内であれば陰性と判定され、染色体異常の可能性は低いとみられます。
一方、測定値が基準値の範囲外であれば、陽性と判定され染色体異常の可能性が高いと考えます。ごくまれにですが再検査と判定される場合もあります。妊婦さんの血液中に溶け出す赤ちゃんの染色体情報が基準より少ない場合や、服薬している薬の影響で検査できない場合などに再検査になりやすいです。そのほかにも再検査となる理由はさまざまなため、検査を受ける医療機関の指示に従いましょう。
新型出生前診断の結果が陽性と判断されたら?
陽性と判断された場合でも、染色体異常の可能性が高いと考えられるだけで、絶対に赤ちゃんに病気があると断定できるわけではありません。もし新型出生前診断でダウン症候群の可能性が高いとされても、35歳の妊婦さんの約20%は実際には赤ちゃんに染色体異常がないのです。赤ちゃんの染色体に異常があるか正確に調べるには、確定検査とよばれる次のような検査を受ける必要があります。
羊水検査
子宮のなかの羊水を直接採取して、羊水に含まれる赤ちゃんの細胞を調べる検査です。妊婦さんのお腹に針を刺して羊水を採取するため母子ともに負担になりやすく、300分の1の確率で破水や流産を引き起こす可能性も。
こうしたリスクを避けるためにも、超音波エコーで赤ちゃんの位置を確認しながら検体採取を行うなど、安全に配慮して実施されます。羊水検査が受けられるのは妊娠15〜18週くらいの妊婦さんです。赤ちゃんを傷つけないレベルまで羊水が増えている必要があり、妊娠初期では実施できません。検査結果が出るのは一般的に3週間ほどとされています。
絨毛検査
羊水検査と同じく妊婦さんのお腹に直接針を刺し、絨毛を採取することで赤ちゃんの染色体やDNAの異常を調べます。絨毛とは胎盤にあるひだ状の組織で、赤ちゃんに栄養を送ったり、老廃物の排出を行ったりする役割を担うものです。絨毛検査は技術的にむずかしく、破水や流産のリスクは100分の1と、羊水検査よりやや高くなります。
検査が受けられるのは妊娠9〜11週の妊婦さんで、それ以前では赤ちゃんの体を傷つけることがあり、逆に検査時期が遅くなると絨毛組織の範囲が狭くなってしまい、検体の採取がむずかしくなります。また絨毛には妊婦さん自身の細胞も含まれるため、誤判定の出る可能性もゼロではないのです。
カウンセリングもうまく活用しよう
新型出生前診断を受けたあとに、認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングを行っている医療機関もあります。検査後の一般的な遺伝カウンセリングでは、検査結果だけでなくその後の対応についても提案してくれます。
場合によっては再検査や、より詳しい検査を受ける必要もあるからです。また病気に関する悩みや疑問を質問できるほか、心理的・社会的サポートを受けることも可能です。新型出生前診断の判定が陽性だったときに心強い相談相手となるでしょう。
「偽陽性」のケースも考えられる
偽陽性とは、新型出生前診断の結果が陽性となったにもかかわらず、確定検査を受けると染色体や遺伝子に異常がなかったことをいいます。新型出生前診断の特徴として、陰性的中率は99.99%ときわめて高いですが、陽性的中率は年齢に依存し、50〜90%と数値に幅が出てきてしまいます。
たとえばダウン症候群について調べたとして、25歳の妊婦さんだと陽性的中率は49.8%、35歳の妊婦さんは76.7%、40歳の妊婦さんなら90.9%と的中率にばらつきがみられます。つまり25歳の妊婦さんが新型出生前診断で陽性と判定されたとしても、確定検査にてダウン症候群が確定する確率は半分なのです。
またダウン症候群の要因以外の染色体は陽性的中率がもっと低く、偽陽性が出やすいといわれています。偽陽性が出る原因はいくつか考えられ、実は双子を妊娠していたが、片方の赤ちゃんが染色体異常で早い段階でなくなってしまったこと、母体に自己免疫疾患や腫瘍などの病気が隠れていたことなどが考えられます。なかには検査が正しく行われずに偽陽性となることもあります。
新型出生前診断で陽性と判定されたからといって重大な決断をするのはまだ早いです。偽陽性のケースも理解したうえで、確定検査の受診を検討しましょう。陽性時に充実したサポートを用意している医療機関もあるので、検査を受ける前に確認しておくと安心かもしれません。