双子はダウン症になる確率が高いってホント?
双子を妊娠するとダウン症になる確率が上がるわけではありません。ただし、双子の場合であってもなくても、母親の年齢が上がるとその確率が上がります。今回は、一卵性と二卵性の違いについて紹介するとともに、双子のダウン症検査方法についても紹介します。ぜひ参考にしてください。
ダウン症は双子だと確率が上がる?その根拠とは
双子を妊娠するとダウン症になる確率が上がるわけではありません。ただし、母親の年齢が上がると確率が上がります。
確率は変わらない
双子がダウン症になる確率が高いという根拠はありません。1人の子どもを出産する確率と同じです。ただし、一言で双子と表現しても、一卵性双生児を出産した場合と二卵性双生児を出産した場合では状況が異なります。
母親の年齢が上がると確率が上がる
明らかに事実として報じられていることがあります。それは、母親の年齢が上がるとダウン症の子どもが生まれる確率が上がるということです。母親の年齢が20歳の場合、ダウン症の子どもは1,667人に1人で0.06%の確率です。母親の年齢が25歳の場合、ダウン症の子どもは1,250人に1人で0.08%の確率です。母親の年齢が30歳の場合、ダウン症の子どもは952人に1人で0.105%の確率です。母親の年齢が35歳の場合、ダウン症の子どもは385人に1人で0.26%の確率です。
母親の年齢が40歳の場合、ダウン症の子どもは106人に1人で0.943%の確率です。母親の年齢が45歳の場合、ダウン症の子どもは30人に1人で3.333%の確率です。とくに、母親の年齢が35歳を超えると確率が上がることが分かっています。これは高齢出産といわれる年齢となっており、高齢出産ではリスクが高くなるといえるでしょう。
一卵性・二卵性で違いはあるのか
確率が高いという根拠はありませんが違いはあります。一卵性双生児の場合は、2人ともダウン症になる可能性が高くなります。二卵性双生児の場合は、2人ともダウン症になる確率はものすごく低くなります。
一卵性双生児とは
母親の体内の中で受精卵が2つに分裂して、そのまま同じ遺伝子情報を持ったまま成長します。一卵性双生児は顔がそっくりだといわれるのはそのためで、顔だけではなく、血液型や性別まで同じであることが多いです。
一卵性双生児の場合
2人の胎児は、同じ遺伝子情報を持っているので、2人ともダウン症になる可能性がほとんどです。これは、1つの受精卵から1人の子どもを妊娠して、その子どもがダウン症になる確率と、1つの受精卵から2人の子どもを妊娠して、その子どもがダウン症になる確率と同じになります。そのため、双子を妊娠すると子どもがダウン症になる確率が高いというわけではありません。あくまで、母親の年齢が上がると確率が上がるということです。
二卵性双生児とは
母親の子宮の中に受精卵が2つ存在して成長します。一卵性双生児とは異なり遺伝子情報が異なるので、そこまで似た特徴がありません。顔もあまりにていないうえ、血液型や性別が異なることもあります。
二卵性双生児の場合
2つの受精卵から2人の子どもを妊娠して、その子どものどちらか1人がダウン症になる確率は、1つの受精卵から1人の子どもを妊娠して、その子どもがダウン症になる確率と同じです。ただし、2つの受精卵から2人の子どもを妊娠して、2人ともダウン症になる確率は低下します。たとえば、母親の年齢が35歳の場合、ダウン症の子どもは385人に1人で0.26%の確率です。0.26×0.26=0.067%となります。つまり2人ともダウン症になる確率は、0.067%でおよそ15万人に1人の確率です。
双子のダウン症検査方法とは
1人の子どもを妊娠する場合と大きな違いはありませんが、二卵性双生児の場合は、羊水検査と絨毛検査を受診するのが一般的となっています。
出生前診断
一卵性双生児の場合は、2人ともダウン症になる確率が高いので、母体の血液を使用した検査が有効です。母体の負担がほとんどなく採血だけで検査が終了する新型出生前診断がおすすめです。こちらは非確定検査なので、精度は99%と高いですが、診断できません。必要な場合のみその後に行われる羊水検査や絨毛検査を受診して診断を受けるとよいでしょう。
そのほうが費用を節約できるうえ、母体の負担も軽くて済みます。二卵性双生児の場合は、新型出生前診断で陽性の判定が出た場合、双子のどちらが陽性なのか分かりません。二卵性双生児の場合は、羊水検査と絨毛検査を受診するのが一般的となっています。
出生後の血液検査
子どもを出産した後に、子どもの血液を採取して遺伝子情報を検査する方法です。生まれたあとに、子どもにダウン症の症状がみられる場合や、出生前診断で陰性の判定が出た場合に、こちらは行われることが多くなっています。
まとめ
双子を妊娠するとダウン症の子どもが生まれやすいといううわさ話は、おそらく一卵性双生児の双子が2人ともダウン症になっているからではないかといわれています。しかし、実際は母親の年齢による影響が大きいことが分かりました。そのため、不妊治療を含めた妊活は、年齢が若いうちに始めたほうがよいといわれています。子どもを望んでいる夫婦は、妊娠と出産にはリミットがあることを今一度認識して、自分たちの家族計画をしっかり立ててください。