双子でも新型出生前診断できる?バニシングツインでも大丈夫?
双子の妊娠はとても喜ばしいことですが、単胎妊娠に比べるとさまざまな合併症の心配も出てきます。とくに心配なのがバニシングツイン、新型出生前診断ができるのかと不安に思う方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、双子でも新型出生前診断ができるのか、そしてバニシングツインの場合について解説します。
双子でも出生前診断を受けることはできる?
双子を授かっても、出生前診断を受けることは可能です。出生前診断とは、妊婦さんが受ける一般的な検診や定期健診とは違います。出生前診断とは、新型出生前診断(NIPT)をはじめ、絨毛検査、羊水検査、超音波検査などを指した言葉です。
双子の場合、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの合併症をはじめ、さまざまなリスクが出てくるといわれているため、双子を授かった妊婦さんは不安になります。しかし、双子でも出生前診断は可能、新型出生前診断(NIPT)だけではなく、絨毛検査や羊水検査なども大丈夫です。
しかし、出生前診断は、どこでも検査してくれるとは限らないので要注意です。病院やクリニック共に、双子の出生前検査についての対応はバラバラのため、事前に調べておきましょう。
検査を断られるケースもある
前述の通り、病院やクリニックで必ずしも出生前診断が受けられるとは限りません。病院やクリニックによっては、双子の出生前診断を実施していないところも存在します。
また、出生前診断は非確定検査と確定検査の2種類にわかれており、新型出生前診断(NIPT)などの非確定検査の場合は、流産などのリスクがないため、非確定検査のみを検査を実施する病院やクリニックもあります。出生前診断を検討している場合は、出生前診断を実施しているかどうかの確認も大切です。
非確定検査とは?
新型出生前診断(NIPT)、超音波検査、母体マーカー血清検査など、母体への痛みが少ない検査を一般的に非確定検査と呼んでいます。新型出生前診断は採血により検査を実施する方法で、妊娠から10週以降で検査可能、検査結果の通知は2週間程度が一般的です。母体血清マーカーは15~18週以降で検査可能、検査は採血にて行われ、2週間程度で検査結果がわかります。超音波検査はお腹に超音波を当てて検査を実施、11~13週程度で行い検査結果は当日中にわかります。
また、どの検査においても13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーといった疾患がわかり、検査による流産のリスクはありません。各検査費用は、超音波検査や母体マーカー検査が1~3万円程度、新型出生前診断については20万円以上とかなり高額です。
確定検査とは?
絨毛検査や羊水検査を、確定検査といいます。どちらも妊婦さんのお腹に針を刺すことですべての染色体異常を検査するため、非確定検査と違い痛みが伴います。また、費用も10~20万円程度と比較的高いことが大きな特徴です。検査可能な妊娠週数は、絨毛検査が11~14週程度、羊水検査が11~14週程度となっており、2~3週間で検査結果が出てきます。
ただし、確定検査を受け付けない病院やクリニックも少なくありません。病院やクリニックの中に確定検査を実施しないところがある理由の一つは、絨毛検査と羊水検査による流産のリスクです。絨毛検査の流産のリスクは1/100、羊水検査は1/300といわれています。
バニシングツインでも検査は受けられる?
新型出生前診断は、赤ちゃんの状態を診断する検査のため、バニシングツインでも受けることができます。新型出生前診断が受けられるのは妊娠10週からとなっており、染色体異常や遺伝病などを診断するようです。また検査は採血のみ、流産などのリスクがない安全な検査を行います。
ただし、バニシングツインの場合は、どちらかの胎児が妊婦の体に吸収されているため、偽陽性が出ることもあるので要注意です。万が一、偽陽性が出たときは必要以上に焦ってしまい、判断を間違える可能性もあるので充分気を付けましょう。
一卵性か二卵性かで検査への影響が異なる
バニシングツインだからといって、新型出生前診断の結果が必ずしも「偽陽性」と診断されるわけではありません。一卵性か二卵性かで検査への影響が異なります。
まず、一卵性の場合は遺伝子情報が同じのため、双方の検査結果が異なることは考えにくいでしょう。一方、二卵性の場合は陽性と判断されたときが要注意、赤ちゃんが妊婦の体に吸収されたことで、前述した「偽陽性」が出たのかもしれません。
ただし、安易に偽陽性だと判断するのは危険なため、確定検査の一つである羊水検査なども検討してみましょう。基本的には、一卵性の場合は検査結果に影響しない、二卵性の場合は偽陽性の可能性があると覚えておいた方がいいかもしれません。
新型出生前診断は、双子でも受けられるうえ、バニシングツインでも大丈夫です。お腹の赤ちゃんの状態が気になったときは、新型出生前診断も選択肢の一つかもしれません。しかし、すべての病院やクリニックが受け付けているわけではないので要注意。公式サイトや電話などを活用して新型出生前診断実施状況を確認しておきましょう。